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- ハイドンの頭部の謎 -

 交響曲の父、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは、1809年ウィーンで77歳の時にこの世を去っていますが、彼の死後、ある疑惑が浮上しています。
 1732年にオーストリアのローラウという町に生まれ、30年もの長い間、エステルハージ伯爵家ニコラウス1世の楽長として働いていた彼は、死後は伯爵家の本拠地であるアイゼンシュタットに埋葬される事を望んでいました。しかし、ハイドンの遺体はそれを知られずして、フントシュトゥルム墓地に埋葬されてしまいます。
 11年後、その希望を知ったエステルハージ家のニコラウス2世は、ハイドンの願い通りアイゼンシュタットに埋葬してあげようと思い墓を開けて見ると、なんとビックリ、ハイドンの首がなかったというのです!そうです。何者かの手によって盗まれてしまっていたのです。
 犯人は、オーストリアの刑務所の管理人をしていたペーターという男と、ハイドンを崇拝してやまなかったというローゼンバウムという男でした。二人は、埋葬後にハイドンの墓を掘り返して包丁で首を切断して盗みました。ペーターは、頭蓋骨を集め観測する事を趣味としていたので、きれいに洗浄し頭蓋骨の状態にして観測を済ませます。観測が終わると今度は、ローゼンバウムへ引き渡します。そして、ローゼンバウムは大切にその崇拝者の頭蓋骨を保管し隠していたのです。
 ニコラウス2世は、警察に届け出てローゼンバウム家は宅捜索されますが、一向に見つからず、直接取引きを行います。多額のお金を支払って手に入れたハイドンの頭蓋骨でしたが、鑑定した結果、若い女性の頭だと発覚します。それから、ローゼンバウムに抗議して再び届けられた老人の頭は、ようやくアイゼンシュタットのベルク教会に埋葬されました。
 しかし、またもやあれはニセモノであるとローゼンバウムは言い出しています。やれやれです。ですが、ローゼンバウムが亡くなると、本物のハイドンの頭蓋骨は様々な場所を旅し、色んな人の手に渡った後、1895年にウィーンの楽友協会の所有となります。
 そして、やっとその約60年後の1954年にハイドンの頭は、念願のアイゼンシュタットに到着します。ハイドンの2回目の公式な葬儀も執り行われ、遂に本物のハイドンの頭が棺に収められたそうです。
 盗まれたのが亡くなったその年だと言いますから、なんと145年もの間、彷徨い続けた事になります。

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